BIGFACEs Opinion

教育に関するツイート、教員の働き方改革のついての意見を書いていきます。

教育委員会、文科省が裁判に勝って失うもの

埼玉では田中(仮)先生が給特法を巡り裁判を戦っておられます。

このように大阪でも裁判が起こされる予定になっています。

以前のブログでも書いた通り、文科省教育委員会は教員の時間外の労働を「労働ではなく、自主的にやっている。」という無理な論法で押し通してきました。おそらく今度の裁判もそうでしょう。

実際に中教審で出された時間外勤務上限45時間の資料では、「在校時間」という概念を作り出し、超勤4項目以外は「自主的・自発的な勤務」と明確に記述しています。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/05/1413004_2.pdf

その論法を押し通し、教育委員会文科省が裁判に勝利したとしましょう。

その勝利によって、教育委員会文科省は大きな代償を払います。

それは、超勤4項目(生徒の実習、職員会議、修学旅行、非常変災)以外の学校業務が、「自主的にやっていること=やらなくてもいいことに認定されること」と明確に裁判所が判断することの代償です。

裁判所の判断は、以下の項目に明確な基準を与えます。

①部活動の顧問拒否の根拠となります。

 超勤4項目以外は、自発的な勤務なので、部活動はやらなくてもとがめられません。

②時間外の業務を拒否する根拠になります。

 勤務時間内にテスト処理や成績処理が終わらなくても、教員の責任ではありません。 時間割や公務の割り振りする管理職の責任です。

③勤務時間以降の管理職の指示はパワハラになります。

 部活動顧問のように、本来やらなくてもいいことを強制することは、明確なパワハラになります。時間外に関して超勤4項目以外は指示してはいけません。

④違法サービス残業の合法化で、若者が入ってきません。

 在校時間の上限という詭弁を使うことで、サービス残業を裁判所が認めます。民間では絶対に違法になるサービス残業を合法化することで、裁判所の信頼が失われます。またSNSやニュースをみた若者がますます教員を敬遠するようになります。つまり人事を管理する教育委員会は人手不足に悩みます。

 教育委員会は裁判に勝つことで、多くのものを失います。以前はSNSがなく、また教員の勤務に世の中の関心は無かったので、「調書を書くときに管理職が職印を渡したのは激励だから、勤務ではない」とか、「学校はテストの日程は決めたが、テストは教員が自主的に作っているもの」などというふざけた判決もまかり通ってきました。

しかし今は全く状況が違います。

SNSがある。

これは、大きな武器です。

裁判所がふざけた判決を出したら、世の中は沸騰するでしょう。SNSは大炎上します。

マスコミも黙ってはいません。

もしかして本当の働き方改革が起こるのは、「その時」かもしれませんね。