教育委員会、文科省が裁判に勝って失うもの
「長時間労働で適応障害」休職の高校教諭が大阪府提訴へ(朝日新聞デジタル) - Y!ニュース https://t.co/ovdkdKyzqg
— まんまみいニャ (@mammaminya) 2019年2月21日
埼玉では田中(仮)先生が給特法を巡り裁判を戦っておられます。
このように大阪でも裁判が起こされる予定になっています。
以前のブログでも書いた通り、文科省や教育委員会は教員の時間外の労働を「労働ではなく、自主的にやっている。」という無理な論法で押し通してきました。おそらく今度の裁判もそうでしょう。
実際に中教審で出された時間外勤務上限45時間の資料では、「在校時間」という概念を作り出し、超勤4項目以外は「自主的・自発的な勤務」と明確に記述しています。
その論法を押し通し、教育委員会や文科省が裁判に勝利したとしましょう。
その勝利によって、教育委員会や文科省は大きな代償を払います。
それは、超勤4項目(生徒の実習、職員会議、修学旅行、非常変災)以外の学校業務が、「自主的にやっていること=やらなくてもいいことに認定されること」と明確に裁判所が判断することの代償です。
裁判所の判断は、以下の項目に明確な基準を与えます。
①部活動の顧問拒否の根拠となります。
超勤4項目以外は、自発的な勤務なので、部活動はやらなくてもとがめられません。
②時間外の業務を拒否する根拠になります。
勤務時間内にテスト処理や成績処理が終わらなくても、教員の責任ではありません。 時間割や公務の割り振りする管理職の責任です。
③勤務時間以降の管理職の指示はパワハラになります。
部活動顧問のように、本来やらなくてもいいことを強制することは、明確なパワハラになります。時間外に関して超勤4項目以外は指示してはいけません。
④違法サービス残業の合法化で、若者が入ってきません。
在校時間の上限という詭弁を使うことで、サービス残業を裁判所が認めます。民間では絶対に違法になるサービス残業を合法化することで、裁判所の信頼が失われます。またSNSやニュースをみた若者がますます教員を敬遠するようになります。つまり人事を管理する教育委員会は人手不足に悩みます。
教育委員会は裁判に勝つことで、多くのものを失います。以前はSNSがなく、また教員の勤務に世の中の関心は無かったので、「調書を書くときに管理職が職印を渡したのは激励だから、勤務ではない」とか、「学校はテストの日程は決めたが、テストは教員が自主的に作っているもの」などというふざけた判決もまかり通ってきました。
しかし今は全く状況が違います。
SNSがある。
これは、大きな武器です。
裁判所がふざけた判決を出したら、世の中は沸騰するでしょう。SNSは大炎上します。
マスコミも黙ってはいません。
もしかして本当の働き方改革が起こるのは、「その時」かもしれませんね。