BIGFACEs Opinion

教育に関するツイート、教員の働き方改革のついての意見を書いていきます。

人手不足の現場と変形時間労働制~「配慮」する余裕が現場にある?

年間の変形労働時間制を入れても、学校の働き方改革にはならない(妹尾昌俊) - 個人 - Yahoo!ニュース

10月に召集される臨時国会

そこで、教員の変形時間労働制の導入が法案として通される予定です。

これは文科省の「働き方改革工程表」にも載っていますし、自民党の文教委員会での既定路線なので、ほぼ通るでしょう。

教員の勤務時間について、「繁忙期」と「閑散期」に分け、繁忙期には定時を延長し、閑散期は定時を短くする、もしくは休日を増やす。

つまり1年を通して、勤務時間を調整する仕組みです。

これに対して、現場の教員からは猛反発。ネット上でも大炎上しています。

【悲報】先生が悲鳴をあげる!2021年春、公立学校の先生は残業代ゼロのまま毎日11時間勤務になるかも…。秋の臨時国会で審議入り予定《変形労働時間制》残業代もゼロ、スト権もゼロ、先生の権利なさすぎ…😿 - Togetter

Yahooの記事で妹尾先生も指摘しているし、現に文科省に役人も「長時間労働の解決にならない」と分かっている。

なのに導入するのは、「数字上の残業を減らし、働き方改革を進めているポーズを国民に見せること」や「教員の待遇改善には1円も出したくない」からでしょう。現場の教員のことは1mmも考えていません。

絶対に反対多数の変形時間労働制。

おそらく臨時国会では、様々な懸念があるのは承知しているが、文科省自民党は「サイレントマジョリティーは賛成している。」と押し通すと思います。

一方で、記事内にある通り、介護や育児を抱える先生は、定時が延びるとかなり負担がかかります。文科省も「このような立場の人には適応しない」と述べています。

しかし、その言葉、信用できますか?

あの給特法も、はじめは「残業は命じないよ、4%給料を上乗せするよ。」と甘い言葉で法案を通しました。

しかし、今は「残業は命じてないよ。残業?お前らが勝手に働いてるんだろ?でも生徒のために時間外の部活や業務はお願いね。あ、これは残業の命令じゃないぞ。あくまでお願いに対する自主的業務だ。文句あるか?」となっています。

夏休みが取れるよ。介護や育児の人には配慮するよ・・・。

導入した後は、そんな配慮など全く反故にされるでしょう。

結局長時間労働がそのままになるのは、現場のせいにされます。さらに、管理職が長時間労働を黙認しても罰則は一切なし。また、管理職が教員の意に反して変形時間労働制を強要しても、罰則なし。これでは何の歯止めもありません。

今の人手不足の学校現場。学校の教育活動を維持するために、そのような配慮などされるわけがありません。そもそも配慮できるほど人員の余裕はありません。

結局、介護を抱えている人、育児を抱えている人も変形時間労働制を「自主的に」受け入れ、より苦しい立場に追い込まれるのは火を見るより明らかです。

給特法は当初の甘い言葉に誘われ、現場に導入した結果、人の命を奪う殺人法案と化しました。

だからこそ、変形時間労働制は、給特法導入時の過ちを繰り返してはなりません。