現場のリアル①「日記」はなくしてもよい?
「多くの学校の業務改善、働き方改革は、メスの入れどころを間違っている」。(日曜は仕事しないのですが)1週間夏休みとったので、出張先で記事をアップ。多忙の内訳を見ながら、どこを考えていくべきか、解説しました。ぜひリツート、ご意見など、お願いします。
— 妹尾昌俊(教育研究家) (@senoo8masatoshi) 2019年8月18日
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なぜ、先生はこんなにも忙しいのか? ~多忙の内訳を見ると分かること~(妹尾昌俊) - 個人 - Yahoo!ニュース
上記の2つは大変興味深い記事です。
多忙解消のために、どのような業務を削減すべきかがデータとしてよく分かります。
私は現役教員です。せっかくなので現場のリアルを書こうと思います。
効果的な学習を進めるうえで要は「学級経営」です。
共感的な人間関係、前向きな意欲の向上、もちろんいじめ防止。
学級経営がうまい先生は、多くの場合授業もたいへんうまい。
私は学級経営のポイントとして、日記指導を重視しています。
私の普段の日記指導は次の通りです。
①提出の確認
出さない生徒もいますので、粘り強く書いて出すように勧めます。またかたくなに提出しない生徒には、何か書きたくない原因があるのかもしれないと考えるようにします。
②日記の確認
他愛もないの内容でいいのですが、たまに悩みを書く生徒もいます。そうしたらすぐに対応。別に詳しく聞き出さなくともOK。先生が気にかけてくれていると思ってくれるだけでほっとする生徒も多い。気をつけたいのは、一度書いたものを全部消してから当たり障りのないことを書く生徒。ほんとは書きたい悩みなどを書いたが、やはり知られたくないと消した可能性が高い。こんな生徒は要注意。
③生活リズムの確認
正直に書いてくる生徒も最近は多いです。ネットの時間が長かったり、睡眠時間が少なかったりする生徒をチェックします。三者面談等で保護者に規則正しい生活習慣の協力を求めます。このリズムが崩れると学校生活への不適応を起こしやすいですね。
④返信
必ず返信を書きます。ここでゲームやTV、ネットの話題を仕入れておくといいですね。日記以外も会話がはずみます。返信は結構親が見ているもの。その辺を意識しつつ、基本勇気づけたり励ましたり、ほめたりするポジティブな返信を書きます。
⑤みんなに読んでもらいたい日記を学級通信で紹介。
生徒に了解を取って(私は名前を伏せます)学級通信で紹介します。特に行事(運動会や合唱祭)に向かうときの日記は、皆の心を動かす力があります。
ざっとこんな感じ。私は最高で40人学級をもっていたので、これを授業のない時間に行いました。それでは足りないので、給食を飲むように食べて、その後に返信を書いていました。私の感覚だと20人=50分(最近はもうちょっと早いかな)。
結構な負担です。「空き時間」が無くなります。(休憩?何それおいしいの?)
さて、皆さんはこの業務は削減すべきでしょうか?
些細な業務ですが、学級経営の要とも言っていいのではないでしょうか?
このように教員の多忙は「生徒に関わる時間」が長いから起きています。
文科省や教育委員会は「生徒と向き合う時間確保のために」働き方改革といいますが、これは現場を知らない大きな間違い。もうすでにかなり向き合ってます。というか、向き合いすぎかもしれません。
最近ネットニュースでも「教員の多忙」が報道され、社会的関心も高まっています。でも、本当に現場を知ってツイートしているのか?疑問に思うときがあります。
現場のリアルを皆さんに知ってほしい。そして、何が問題なのかを考えるきっかけをもってほしい。
そのためにちょくちょく現場のリアルを今後も発信していきます。