中教審諮問と答申の変化
教員の働き方改革の議論を振り返ると、興味深い変化が分かります。
新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働 き方改革に関する総合的な方策について (諮問 平成29年7月11日)
上記の諮問、から議論は始まりました。教員の働き方改革の目的は、
「次期学習指導要領の円滑な実施」です。そのためにチーム学校を組織して、業務の適正化を図ることがねらいとしてあげられています。
第1回の議事録では、教員のやりがいをたかめるだの向き合う時間をもっと確保しろだの、研修の時間が少ないだの、まあ今から見ればのんきな発言のオンパレードです。
しかし、先月出された答申ではそのトーンが変わっています。
新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申 平成31年1月25日)
大臣メッセージ
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/__icsFiles/afieldfile/2019/01/29/1413144_2_2.pdf
特に大臣メッセージにあるように、
「これからも優秀な若者が教師になりたいと思えるよう、教師の仕事をより魅力的なものにしていくこと」、つまり人材確保が強調されるようになりました。
私は中教審の議事録を第1回から読んでますが、今年の夏以降、議論が真剣になってきたと感じています。その原因は「新潟1.2倍ショック」でしょう。
今年度の教員採用試験は、今までにない低倍率でした。特に新潟の小学校採用は1.2倍、ほとんどの人が受かってしまう状態です。九州地方も同様です。
新学習指導要領は総則や解説を読むとわかる通り、内容が盛りだくさん。
さらに主体的、対話的な学習、そして深い学びを求めています。
教員に教材研究の時間を確保したり、指導法の研修に時間をかける必要があります。今の人員や、労働環境では実施は難しい、それくらい高いレベルを求めるものです。
小学校では2020年度より、中学校は2021年度より実施されます。
ここで提案。
人手不足、多忙化がここまで深刻な問題になる以前につくられた学習指導要領は、現実的ではないので、実施を延期し見直しをしてはどうでしょうか?