BIGFACEs Opinion

教育に関するツイート、教員の働き方改革のついての意見を書いていきます。

文科省の本音が滲み出る「やさしい勤務時間管理講座」

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どうせ「教員の勤務は特殊性があるから、給特法には妥当性がある。残業代はあきらめな~。」なんて言い訳している動画だろ、と思っていました。

しかし、見てみてびっくり。

14:53からの付け加えからの話は、今までの文科省からはあまり聞かれなかったことが述べられています。

①「明確に命令が言葉や文書で発せられていない場合でも、実質的に使用者の管理下に置かれている場合、黙示の超過勤務命令があったとみなされる。」

②「過去の裁判例ではその超過勤務に至った事情、従事した職務の内容、実態等に照らし、時間外勤務を命じたと同等に考えられる場合は、給特法の趣旨に逸脱していると考えて、時間外勤務手当を支払うことが適当である」

(この裁判が何の裁判の出典がほしかったです。給特法裁判で時間外勤務手当が認められた事例を私は知らないので。)

①に関して、よく管理職は部活動はお願いしているから、命令していないと言い逃れしますが、学校で顧問就任を依頼して、学校の管理下で活動をさせることは黙示の超過勤務命令をしていることになります。つまり、部活動の顧問を依頼することも給特法違反となります。

②に関して、①の違法状態が常態化している場合は、時間外勤務手当を支払う可能性がありますよ、と文科省がお墨付きを与えました。

今まで文科省は時間外勤務手当に関しては全く認めなかったのですが、「ちょっと補足します」といって、かなり重要な方針転換をこっそり行っています。

YOUTUBEの動画UPも、文科省の上層部の許可が必要だと思われるます。

もしかして文科省は「校長先生方、部活動は給特法違反です。教育委員会の皆さん、超過勤務を是施しないと、今後残業代を払わせるかもよ」と教育委員会や管理職にメッセージを送っているのかもしれません。

あえてなぜこんな補足をいれたのか?

そこに、文科省の本音が見えるのではないでしょうか?

管理職や教育委員会が全く法律を知らずに、ブラック業務を改善しない。

そのために教員志望者が激減し、新学習指導要領の完全実施どころか、学校の存続さえ危ない自治体も出ている。

こっち(文科省)はちゃんとやってるのに、お前らのせいで全く改善が進まない。いい加減にしろ!という本音が見えますね。

だいたいにして動画のタイトルも

「公立学校の校長先生のための~やさしい!勤務時間管理講座」です。

管理職に向かって「やさしい!」っていう言葉を使うこと自体、文科省のいら立ちが滲み出ていますね。