BIGFACEs Opinion

教育に関するツイート、教員の働き方改革のついての意見を書いていきます。

未来の教員のために

いよいよ始まりました、給特法改定に関する国会論戦。

今回は「天祐」に恵まれました。

身の丈発言で萩生田大臣は一躍目立つ存在になっています。

野党も萩生田大臣を責めることが、マスコミにも注目され、安倍内閣への効果的な批判になることをよくわかっています。

お忙しいとは思いますが、youtubeにも大臣の提案理由や野党議員との質疑がアップされていますので、早送りでもいいので見てみてください。

いきなり大臣自ら「変形時間労働制は勤務改善にはつながらない」と認めていることとか、業務削減案が示されていないのに、変形時間労働制を導入する理由が述べられていないなど、問題点が多すぎます。

私が気になったのは「時間外勤務上限を守らせる責任の主体は?」との質問。

大臣は「教育委員会、校長などの管理職」と答えました。

この2つのやり取りで確定したことがあります。

教育委員会や校長は月45時間、年間360時間を守らせるために「闇残業」を認めるだろうと。

令和2年度4月から学校はこうなります。

 

教頭が時間外勤務を厳しく管理します。

教頭「A先生がそろそろ時間外45時間に達しそうです」

校長「そうか。でも彼は部活の主顧問だし、学級担任でもある。時間外勤務ができないというのは厳しいなあ。お願いするしかないか・・・おーい、A先生!」

A先生「はい、なんでしょう」

校長「そろそろ時間外45時間を超えそうなんだよ。だから、これ以降は学校にいられないことになってるんだよね。でもそれじゃクラスや部活が心配だろ?今日以降はタイムカードを定時で押してくれないか?」

A先生「・・・(部活の大会で時間外がかさんだのに?結局部活の大会も減らないのにこんな非現実的な規制しやがって…)それはどういう意味ですか?」

校長「一度退勤したということにして、あとは完全なボランティアでお願い。あくまでお願いだから従うことは義務はないけど、生徒のためにお願いしているのだよ」

A先生「・・・・わかりました。」怒ったA先生、教育委員会へ申し出ます。

教育委員会「学校の監督権は校長にあります。そういう話は校長とじっくり話して下さい。」A先生は結局泣き寝入り。上限以上の労働時間は完全に闇に葬られます。

 

今の仕組みでは教育委員会も校長も「責任の取りようがない」のです。(文科省が決めるガイドラインに「分限処分に管理職の上限規制違反も含む」と書けば別ですが)

3年後に勤務実態調査をして給特法の見直しをするか決めると大臣は明言しました。

3年後は確実に勤務時間は縮減しているでしょう。そして、政府、文科省は「成果」を大いに宣伝し、給特法も現状維持でしょう。

残業時間は減るに決まっています。業務削減が進まない中、上限より漏れた時間はすべて闇に葬られるからです。

私は変形時間労働制も問題ですが、本丸は上限規制だと考えています。

今の業務量、特に部活動の大会がある以上、上限内におさめる物理的に不可能です。

ここからは私の予想。

変形時間労働制は実は「見せ球」で審議している途中に引っ込めるかもしれません。誰が見てもおかしな方針だから。そして引き換えに、「時間外上限規制」を通す。そうすれば、3年後、残業時間を確実に「数字上」は減らすことができるからです。

ともかく、約50年ぶりに給特法が国会論戦で注目されます。

今反対の声を上げておかないと、未来の教員に「あんときの先生たちは何やってんだ」と思われます。そう、今私たちが給特法に苦しめられているように、未来の教員も苦しみますから。