BIGFACEs Opinion

教育に関するツイート、教員の働き方改革のついての意見を書いていきます。

やはり給特法は廃止すべき~妹尾さんへの意見~

 

news.yahoo.co.jp

中教審委員もされていた妹尾さんの給特法に関する論考です。

ツイッターでご意見募集ということでしたので、私見を述べたいと思います。

妹尾さんが給特法を維持する理由として、

「第1に、残業を減らす人の意欲をそぎかねない影響がある。」と述べています。

以下記事から引用します。
 頑張って残業を少なくしている教師の場合、現行よりも月給が下がることになる可能性が高いと考えるのが自然だ。(ついで言うと、今の教職調整額は退職手当にも反映されるが、そこもなくなるので、退職手当上もマイナス。)対照的に、部活動指導が長い先生や、仕事が多い先生、あるいは、仕事のスピードが遅めの先生は、残業代を多めにもらえる。これでは、残業を減らすインセンティブにむしろならない。働き方改革や業務改善の点ではマイナスの影響になるのではないか。 マイナスの影響になるのではないか。

「頑張って残業を少なくしている教師が損をする。」

一見正しいのですが、残業を少なくする責任、つまり労務管理の責任は誰にあるのでしょうか?

そう管理職です。

つまり、教員は頑張って残業を少なくする責任はありません。

残業が出ないように労務を管理するのが管理職の責任です。

今までは給特法があったため、管理職が労務管理をするという意識が希薄でした。

しかし残業代が発生するなら、残業が出ないように業務の精選や削減に力を入れざるを得ません。

「頑張って残業を少なくする教師」という発想が、すでに給特法、サービス残業を前提としています。

また「第2に、時間外手当を支給することは、残業を固定化してしまうリスクがある。」と主張されています。以下引用します。
 企業人に対する調査結果だが、中原淳ほか『残業学』(光文社新書)によると、「生活のために残業代が欠かせない」と思っている人のほうが、そうでない人よりもより長く残業をしている、ということがわかっている。 近い例として、いまの休日の部活動手当はどうだろうか。3時間以上やれば3000円とか(一例として宮城県の条例では「3時間程度2700円」)、部活動指導の大変さと比べたら決して高額な報酬とは言えないとは思うが、手当が生活給の一部やおこずかい的な性格になっていて、休日の部活動の増加に影響しているケースもあるのではないだろうか。 

この意見に欠けているのは、やはり管理職の存在です。

残業を固定化させないようするのは、労務管理の責任がある管理職です。

残業代が出るから無制限に業務を与えることはできません。

勤務上限時間も厳守が求められますし、中教審答申では教員の仕事も仕分けしました。

また、管理職は残業代が大量に発生する勤務を許せば、教育委員会から強力な指導(叱責?)を受けます。(最近では教育委員会もかなり勤務時間には厳しくなっています。)

つまり給特法を廃止し、残業代を支払うことは管理職が労務管理を行うことへのインセンティブになります。

残念ながら妹尾さんの論考には管理職の存在がすっぽり抜けています。

学校の働き方を変えることができるのは管理職の力が大きいのです。

最後に私の主張を。

妹尾さんの論考の初めにもある通り

「”定額働かせ放題”との悪名高い給特法」があることは、若者にとってイメージが悪すぎます。

また、超勤4項目以外は残業させられないことになっていますが、黙示の勤務指示により、全国で給特法を厳守している学校はおそらく0校です。

現実的には全く守られていない給特法でも、残業代請求裁判になれば給特法を根拠に原告が敗訴します。

こんな悪法はありません。

以上の2点により、私は給特法は廃止したほうがいいと思います。

妹尾さんは給特法を維持するなら、いかに給特法を守らせるかを示してほしいと思います。

いかがでしょうか?