改めて給特法は廃止すべき理由を整理する
働き方改革の中教審答申がでても、まったく業務改善がなされない学校現場。
各媒体でも、その原因が「給特法」であると明確に述べています。
現代思想 2019年5月号 特集=教育は変わるのか ―部活動問題・給特法・大学入学共通テスト―
- 作者: 大内裕和,内田良,岡崎勝,佐々木賢
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2019/04/27
- メディア: ムック
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今週末には埼玉県で残業代請求裁判もあり、今給特法には大きな注目が集まっています。
残業代がゼロ。教員はブラック企業以上のブラック。初耳学でブラック労働の原因、給特法が取り上げられ、ありえないとの反応多数。 https://t.co/QTrMiy9Vy8
— もょもと (@bigface1979) 2019年5月13日
さてその給特法ですが、会議、行事、実習、非常時以外の超勤は命じることができません。それを活用して、残業を拒否すればいいのではないかという意見があります。
文科省でも、給特法の趣旨を誤解して超勤がはびこっているといっています。
まあ、誤解を訂正してこなかったのは誰よ?とは思いますが、一応給特法を守れば、ホワイト化しますね。
しかし、それは机上の空論、絵に描いた餅です。
その理由を連ツイしました。
私は給特法は廃止した方がいいと思います。まず第一に今の業務量は到底勤務時間内に終わらないこと。何よりも普通の地方公務員になれば、労働基準法が適応されるようになることです。労基法の37条が適応になると、残業代が出ます。今の4%の上乗せよりも多くの残業代がもらえるでしょう。
— もょもと (@bigface1979) 2019年5月14日
そうなると管理職は残業を放置できません。なぜなら残業代を多く出している学校は労務管理ができていないということで、管理職はかなり叱られます。だから管理職は残業を許可制にして、勝手に教員が仕事をしているという今の状況が変わります。でもここで管理職がサービス残業を強いるのでは?
— もょもと (@bigface1979) 2019年5月14日
そうなったら裁判で勝てます。コンピュータのログイン記録や、なんなら音声を取っておくことで、違法サービス残業は労基法違反になり、管理職は法的責任を問われます。このように給特法をなくして労基法に完全に準拠する方がいいと思います。今は給特法があるから、違法サービス残業裁判では勝てません
— もょもと (@bigface1979) 2019年5月14日
日本は法治国家ですので、裁判で様々社会の不条理を正してきましたし、これからもすべきです。給特法はたしかに完全に守れればいいのですが、現実には不可能。違法なサービス残業を合法的なものにしています。働き方改革が上手くいってないのも、教員の意識改革とか、個人の努力に頼りすぎるからです。
— もょもと (@bigface1979) 2019年5月14日
ではなく、法とお金。違法サービス残業をさせる管理職には罰則、業務量削減には残業代で歯止め。中教審の答申にはこれがスルーされてるので、効果ないと思います。
— もょもと (@bigface1979) 2019年5月14日
文科省が給特法を絶対に守りたいのは、裁判で勝てるからです。どんなに残業されても、それは教員が勝手にやってることと言えるからです。でもさすがにその論法も厳しくなってきてます。文科省の動画で黙示の勤務指示にも言及してますし、労基法適応も明言した。本音では文科省も無理筋とわかってます。
— もょもと (@bigface1979) 2019年5月14日
なぜ文科省が給特法は絶対に維持したいか?
それは「裁判に勝てるから」です。
給特法がある限り、どんなに業務が肥大化し、教員が残業していようとも、
「時間外は自主的な仕事で、教員が勝手にやっていること」にできるので、残業代を払わなくても、裁判で勝てます。
給特法のない時代、違法残業裁判は教員側が勝っていました。
しかし、給特法ができてからは、教員は裁判で勝てなくなります。
つまり、教員の労働環境改善なんかより、裁判で勝つこと。これが給特法を維持したい最大の動機です。
採用面接始まる1か月前で大学生就職内定率51.4% | NHKニュース https://t.co/dkMMmWAVv0「人手不足が深刻化する中、経団連に加盟していないIT系のベンチャー企業が前倒しで採用活動を進めるなど採用活動の早期化が進んでいる。」
— 本田由紀 (@hahaguma) 2019年5月15日
今の若者はブラック労働を嫌います。
給特法がある限り、サービス残業前提のブラック労働。
若者はそのことをよく知っています。
給特法を廃止するだけで、教員採用試験の受験者は増えるでしょう。
裁判で勝つことと、人手不足解消。
文科省は優先順位を間違えないでほしいものです。