奨学金免除と40年の過重労働。どちらを優先しますか?
前のブログで、自民党文部科学部会案を考察しました。
自民党の教員のイメージは「教員の再聖職化」です。
現場の人間からツッコミを入れさせてもらいます。
〇教員志望者はやりがいアピールと奨学金免除で確保する。
やりがいアピールは論外。
奨学金免除は方針を出したなら、すぐにでも実施しなくてはならない。
教員採用者は奨学金返済の免除 検討を 自民文部科学部会 | NHKニュース
— もょもと (@bigface1979) 2019年9月5日
今年教員採用試験試験を受けて、一次合格している人はがっかりでしょうね。今年受かれば奨学金の数百万円がのしかかる。制度施行後なら数百万円がチャラ。怒ってもいいよ、本当に。 https://t.co/nuOBvESKbf
今年受験した人たちは、自分たちが対象になるか不安になる。
対象にならないことが分かったら、合格を辞退して次の年に受験する人も出るでしょう。こういう方針は不公平感をあおり、不信感が高まるので愚策です。
〇教員免許更新など研修を管理職試験などに活用する。
〇資質向上は研修の充実で進める。
変形時間労働制では、夏休みに休暇が集中する。今までは研修は夏休みに行っていました。それは、普段の学期は授業がびっちり詰まっているからです。
変形時間労働制になったら、いつ研修の時間を確保するのでしょう?今年文科省も、夏休みの研修の削減を指示しました。休みを増やすのに、研修を増やす?まさか休日なのに研修を「自主的に」させるのかな?
〇教員以外のスタッフの充実。社会人からも教員を募集する。
こんなに学校はブラックだと浸透した中、民間からあえて教員になる人はあまり多くないと思います。教員が「人気職」だったのはもう過去の話。
〇勤務時間上限のガイドラインを法制化する。
これもおかしい。給特法を維持するなら、超勤4項目以外は残業は0時間のはず。
結局45時間サービス残業です。
〇変形時間労働制は早急に導入する。
何度も批判しているので、もうこれ以上はないです。論外。
〇人材確保法をもう一度機能させる。
2000年代に教員の優遇策はほぼ廃止されました。その廃止したのは自民党政権。人確法をもう一度機能させるのは予算措置が必要。そして自分たちの政策が間違っていたと認めること。実現可能性は低いでしょう。
〇教員を「教師」と呼ぶことで、社会からの尊敬を集める。
正気ですかね?この案。こんなんで私たちが喜ぶとでも?呼び方を変えただけ、政治家の仕事って楽なんですね。過労死したら名誉の戦死とでも言うのでしょうか?
結局、自民党案は人は増やさず金もかけず、今いる教員を長時間労働で働かせる構造に何の変化も」もたらしません。しかも与党案なので、今度の臨時国会ではおおむねこの方針が法制化させるでしょう。
教員志望の皆さん、奨学金免除と約40年間のブラック労働。どちらをとりますか?