BIGFACEs Opinion

教育に関するツイート、教員の働き方改革のついての意見を書いていきます。

子育ては夏休みにまとめどりできない

今年の3月。人事異動の名簿を見てかなり驚きました。

若い女性の先生の退職が急増していたからです。

知り合いの若手の先生も退職することになり、あいさつもかねて会いに行った時のことを今でも覚えています。

その先生は授業も生徒指導もばっちり、部活動では若手ながらも競技の責任者も務めるなどかなり有能。生徒にも慕われ、バリバリ仕事をしていたのに、なぜ辞めるの?

本当に不思議でした。

その理由は「子育てができない。」

聞けば、今まで実家のお母さんが孫(先生の子ども)を面倒見ていたのですが、そのお母さんが体調を崩してしまったとのこと。子どもをお母さん任せにしてしまい、苦労を掛け体調を崩してしまったのでは・・・と自分を責めていました。

(実際に自分の子どもの子育てを実家に頼る先生は、本当に多いなあと思います。)

本当は先生を続けたい。でも、この異常なほど多忙の教員の仕事と子育ての両立は難しい。

夫も教員です。恐る恐る相談したら、「自分の子どものほうが大事、俺が稼ぐからやめてもいいよ。」と言われ決心したそうです。

このような自分の子育てができない、異常な労働環境にあるのが今の教員の働き方です。

たしかに育児に対して時短勤務制度もあります。しかし、経験不足の先生が増え学級担任をできる先生が少なかったり、病休が増えても講師が見つからないほど人手不足が深刻化する現場。学校には時短勤務を認める余裕はありません。学校のために時短勤務を言い出せない子育て中の先生はかなり多いです。

そんな中「変形時間労働制」。勤務時間を延ばす法案が閣議決定

忙しいときは子育てをほっといて、夏休みに子育てしろと言っているようのもの。

本当にふざけています。子育てはまとめどりできない!

自民党文教部会や文科省はこのような苦しい思いをして働いている子育て中の先生の気持ちを考えて「変形時間労働制」を提案したのでしょうか?全く考えていないでしょう。

確かに育児や介護のある先生には配慮するといっていますが、今の現場に配慮する余裕はありません。

人手不足の現場と変形時間労働制~「配慮」する余裕が現場にある? - BIGFACEs Opinion

ちなみに育休を取っている先生の数はこちら。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/12/25/1411826_07.pdf

この中のどのくらいの先生が変形時間労働制によって、育児の危機を感じ、復帰をあきらめ退職するでしょうか?

本当に「人手不足崩壊」はすぐそこまで来ています。