BIGFACEs Opinion

教育に関するツイート、教員の働き方改革のついての意見を書いていきます。

教員の過労死は1年間に何人?過労死をなかったことにする悪法「給特法」

大阪でも過酷な教員の勤務に対して、裁判が起こされました。

まずは勇気ある西本先生の行動に、敬意を表します。

さて、記事によると西本先生は月155時間にも及ぶ時間外労働を続け、医師から「慢性疲労症候群」との診断を受けました。

しかし、診断書を管理職に提出するも、撤回をさせる暴挙に出ています。

万が一、西本先生が過労死していたら・・・と考えると、本当に怒りを感じます。

さて、中学教員の6割が過労死ライン以上の労働をしているのは、もう周知されています。

mainichi.jp

こんなひどい労働環境、多くの教員が過労死をしているのではないでしょうか?

さて、ここで問題です。

過去10年間の統計より、1年あたり教員は何人過労死で亡くなっているでしょうか?

答えは・・・・

年平均6人です。

6割以上の中学校の先生が明日にでも過労死するかもしれない中で、1年間で6人。この数字、ちょっと変だと思いませんか?実は、驚くべき事実があるのです。

 

bunshun.jp

内田先生の論考に詳しいのですが、簡単にまとめると教員は給特法という法律により、決まった業務以外時間外労働をしてはいけません。
そのため、時間外労働は「自主的に行った労働」扱いになります。
つまり、給特法があるせいで、教員が過労死しても
「勝手に働きすぎて、勝手に過労死した。だから管理職や教育委員会には責任はありませんよ」扱い。

実際に労災申請の過程で、校長は「命令していない。先生が勝手にやった」と釈明した事例すらあります。
だから、以前は勤務時間を記録することすらしていませんでした。
(タイムカードはなく、出勤簿にハンコを押すだけです。私は民間出身だったので、ほんとにびっくりしました。最近はやっと管理するようになりました。)

マジで、ふざけるな!と思いませんか?原告の西本先生も、万が一過労死してしまっても、「勝手に働きすぎてたね。」扱いで、過労死認定されなかった可能性が高いです。

私はこの一点だけをもって、「給特法は殺人法案」と考え、廃止するべきと考えます。

過労死をなかったことにする法案です。断じて許せません。

残された家族は大変な苦労を強いられます。

過労死認定してもらい、遺族が補償をうけるには、勤務時間を把握したり、過酷な業務を証明する必要があります。

以下の事例は、遺族ががんばって過労死認定を勝ち取った例です。

■ 教員の過労死を考える - 教働コラムズhttp://www.kyoto-kyoiku.com/hiroba2/hiroba142/tomi.htm

「命守る労働環境を」「過労死」26年、対策法きょう施行(2014/11/1 東京新聞) - 過労死等防止対策推進全国センター

自宅でひっそりと亡くなった26歳の熱血教師 過労死を招いたのは「知らず知らずの無理」 - ログミー[o_O]

しかし、多くの在職中に亡くなった先生は、過労死認定されていません。

私の同僚だった先生も3人突然倒れ亡くなりました。でも、過労死認定はされていません。若い私にいろいろ教えてくれた先生方でした。

だから、過労死をなかったことにする給特法を絶対に許せません。