裁判に勝つために所属教員を無能扱いする「埼玉県教育委員会」
今日注目の埼玉県教員残業代未払い裁判の第三回公判が開かれました。
公判を重ねるごとに、注目度が高まり、様々な媒体でもその詳細が紹介されています。
早速トウマコさんが、速報をアップしてくれました。ありがとうございます。
また原告先生のサイトでも裁判資料がアップされました。
求釈明に埼玉県は相当苦しい弁明をしています。
ほぼ論理的に破たんしていますが、最も突っ込みたいのはこちら。
原告先生の主張
勤務時間内に終わらない仕事を命じることは、時間外勤務を命じているのと同じである。現在、私たち教員が携わっている業務は、7時間45分の勤務時間で処理可能な業務を「大幅に」上回るものである。
県の主張
・同じではない。本件校長から原告に対し、勤務時間内に終わらない仕事を命じたことはない。
各種調査で、過労死ラインを超えた時間外労働が明らかになっています。
埼玉県でも同様でしょう。
埼玉県がこのように主張するということは、所属教員にこう言っていることになります。
「勤務時間内に終わらない仕事を命じたことはない。なのに超過勤務が過労死ラインを超えているのはおかしい。つまり皆さんは、勤務時間内に仕事が終わらせる実力のない人たちです。だから仕事が終わらない分を時間外に自主的にやってるんだよね。」
つまり埼玉県は「命じている業務は、本来勤務時間内に終わるはず」という考えを主張しています。これは本当にひどい。
現場で頑張っている教員を無能扱いしていることになぜ気が付かない?
埼玉県の発言は、膨大な業務を課されながらも現場で頑張っている教員の尊厳を踏みにじる大問題発言です。
いくら裁判に勝ちたいからといって、それはないでしょう。
私は埼玉県教育委員会に次のことを聞いてみたい。
校長が教員だった時、これらの業務を勤務時間内に終えていたのか?
今、校長がこれらの業務をやったら、授業もやりながら勤務時間内に終えることができるのか?
校長が教員時代、通知表や指導要録を時間外に記入したことはないんですね?
やれるものなら今やって見せろ、と言いたい。
次回公判に向けて、原告先生は具体的な業務をあげ、これらの業務が時間内にできるのかと埼玉県に聞いています。
おそらく埼玉県は、列挙されたのは教師が自主的に行う業務で、必ずやるべき業務ではないと主張するでしょう。
しかし、かえってその主張は教員がやらなくてもよい業務を明確にするでしょう。
もしその主張が裁判で認められるなら、通信表を書かなくても、校長から叱責されることはないですよね。
広島の先生のようにテストの採点をしなくても、問題はありませんね。
裁判が教育問題ではなく、労働問題に話になりつつあるため、原告先生の主張のほうが説得力があります。これで裁判所が埼玉県を勝たせたら、司法の信用が失墜します。
これからも全力で原告先生を応援します。