青森市の「超勤5項目」
最近通勤時間のBGMは国会審議になっています。
いまさらながら、面白いですね。社会科教師として改めて国会論戦は刺激になります。
このお二人の質疑はとてもいいですね。教員志望者は特に見てほしい。頑なに部活動など超勤四項目以外の残業は「労基法上の残業とは違う」と言って認めませんから。これ認めると残業代出さなくてはならない。つまり教員には一切お金を出すつもりはないという政府の強い意思が分かる。
— もょもと (@bigface1979) 2019年11月27日
野党の勝部議員、水岡議員。さすが元教員だけあって、現場の実態がよくわかっている。それに引きかえ、文科省の局長はひどいですね。真っ向から答えていない。厚労省の委員は淡々とだけども、文科省の詭弁を労働法規の観点から「一般論ですが」とバッサリ切りまくる。厚労省の人を使いながらの論戦はお見事。少なくとも「野党は仕事をしていない」批判は当たりませんね。
さて、給特法「改正」案が審議され、与党が多数なので残念ながら法案は通るでしょう。来年4月からは「時間外上限規制45時間」がスタートします。勝部議員が言うように、「業務削減の手立てが全く示されないまま、上限規制をしても不可能」です。
文科省から丸投げされた各自治体。何とか規制をクリアしようと必死です。
そこでこのような奇策が・・・
青森市教委、翌月の「残業予定表」を導入/現場「月45時間以内抑制へ圧力/市教委「意識改革のため」(Web東奥) - Yahoo!ニュース
— もょもと (@bigface1979) 2019年11月27日
校長に残業予定表を出すと言うことは、校長が残業を認めるということですよね。しかもこれは公文書ですね? https://t.co/ZzrtuGalvV
生徒指導が1カ月前から分かるのか?とか余計な仕事増やすなとか、批判続出。
でも私は最もおかしいと思うのは別にあります。
それは「校長の管理下で部活動で残業することを明確に認めている。つまり、部活動での時間外勤務を校長が明示的に命じている。」ことです。
この書類は校長の承認を経ます。ということは、部活動は校長が認めた「業務」となります。(この辺は参議院の委員会でも校長の管理下は業務といえると厚労省の担当者も言っています)
給特法の超勤4項目(校長が残業を命じてよい業務)には部活動は入っていません。つまり、超勤4項目以外の部活動を校長が残業として認めることは出来ないにもかかわらず、この方式だと認めることになります。
明白な給特法違反です。
青森市は超勤4項目に「部活動」が入っているのでしょうか?いつ超勤5項目になったのですか?
このように、時間外は自主的だとか、教員の業務は切れ目なく労働時間が把握できないとか、ごちゃごちゃ言い訳をつけて残業代を払わないとしているから、こんなおかしなことが起きる。
黙って定時以降は残業代をつける。また上限45時間分の残業代を「教職調整額」にするなど、働いた分お金を出せばいいのです。
国会審議を聞いていると、「政府、文科省は教員には1円もお金を出したくない」という強い意志がよくわかります。
パソコンのようなものにはお金を出せて、人には出したくない。
実に「わかりやすい人たち」です。