BIGFACEs Opinion

教育に関するツイート、教員の働き方改革のついての意見を書いていきます。

読解力や英語力を伸ばすのは入試改革ではない。義務教育だ。

2020年度予算折衝が終わり、小学校では英語の専科教員の増員などが決まりました。

一方で大学入試での国語数学の記述式問題の導入も見送られました。

まず大学入試改革の件。多くの識者がコメントを発出しています。

高校の授業を変えるのは入試を変えるのがよい。

読解力や英語力が問題だ。だから英語の4技能や記述式問題が必要だ。

なるほど、それは一理あります。(ただ今問題になっている「読解力の低下」ですが、PISAの問題はICTを使い、さらに一度答えたら後戻りできないものなど、日本の学生には対応しきれない問題だったということは、注意しないといけませんが。)

この話題で一番疑問に思うのは、「高校の授業を変えて読解力や英語力が付くのか?」

ということ。

私は「小学校教育こそ、読解力や英語力の基礎をつくる。本気で読解力や英語力を高めたいなら小学校教育こそ大事」だと考えています。だから小学校外国語、プログラミングが導入されるのでしょう。

はっきり言って、高校から力を伸ばそうとするのではすでに遅い。現場の実感からすると中学校でも小学校の遅れを取り戻すのはかなり厳しいと感じます。

入試改革で読解力や英語力を高めるのではなく、義務教育、特に小学校教育の充実こそ大切です。

今回の騒動で、そこにあまり言及がないですね。特に推進していた人は全く義務教育のことには触れていない人が多い。視野が狭すぎます。

では、小学校の現場に読解力を高め、さらに英語指導の優秀な人材が入ってくれるでしょうか?

ワールド・ファミリー バイリンガルサイエンス研究所 » Blog Archive » 深刻化する学校教員不足 〜小学校英語教育に与える影響〜

先生がいない…小中学校の「教師不足」が結構深刻みたい - NAVER まとめ

大阪市:小学校の教員不足について (…>お寄せいただいた「市民の声」>教育)

読解力や英語力を高めるどころではありません。授業自体が成り立っていない、多忙すぎて十分な授業準備ができない、指導技術の高い先生が少ない、勤務上限が厳しく補習ができない、

つまり、義務教育の環境が崩壊しかけているから、すべての力が伸ばせないのです。

その本質的な原因から目を背けていては、どんなに入試改革しても力は伸びません。

それにしても採点に60億円もかけるくらいなら、義務教育学校へもお金をかけてほしいものです。

特定の業者に金が流れないからやらないのですかねえ?